Netflix『マイ・ブロック』感想:治安最悪エリアで、有色人種の高校生達をフィーチャーした青春コメディ。
3月16日配信開始したNetflixオリジナル『マイ・ブロック』(原題:On My Block)。
ハイスクールもの好きとして、早速チェックさせていただきました。
『サイテー・ハイスクール!』もそうでしたが、ネットフリックスでは王道からそれたティーンドラマを作るのが主流ですね。
本作では、治安の悪いLAのサウス・セントラル地区を舞台に、ヒスパニックと黒人の男女4人組の青春を描いています。
全体としてはコメディですが、ギャングが取り巻く地域で銃や死と隣り合わせで生きるティーンのリアルが含まれています。
『マイ・ブロック』あらすじ
ロサンゼルスのスラム地区で暮らす高校1年生の仲良し4人組。互いを思いやり支え合いながら、世渡り力を発揮して、明るく前向きに人生の荒波を乗り越えていく。引用:Netflix
『マイ・ブロック』感想
メインキャラは、グループの紅一点モンセ、ギャングの兄を持つシーザー、口が上手いルビー、アフリカ系アメリカ人のジャマール。(ジャマール以外はヒスパニック)
4人は期待を胸に高校生活をスタートさせます。
舞台となるサウス・セントラルはLAで最も治安の悪い地域で、登場人物たちは銃声が聞こえるたびに銃の口径を当てっこするような日常を送っています。
羨ましくなるほど仲の良い男女4人組ですが、モンセとシーザーが内緒で関係を持ったことや、ギャングの家系に育ったシーザーが自分も一員となったことで、その友情は今までと違う形になっていきます。
最初は大袈裟なコメディ演技や演出に「くだらないドラマなのでは…?」と思いましたが、この設定ならではのシリアスな展開も出てくるので、コミックリリーフ(深刻な物語で緊張をほぐす役割)として機能していきます。
コメディでも、最初から入り込めるものと時間がかかるものがありますが、自分にとって本作は後者でしたね。気付いたら笑っていました(笑)
物語は大きく分けて3つのパートがあります。
まずは、高校生らしく恋愛。
シーザーとモンセは関係を続けつつも、モンセが2人の仲を公にすることを恐れ、交際には至らないまま。
一方で、ルビーの家に両親が強制送還されたオリヴィアという女の子が居候することに。ルビーは一目見て彼女に夢中になります。
この4人が四角関係を築くようになるのですが、途中で「何故そうなる!?」という納得いかない展開へ。ネタバレはしませんが、全く共感できませんでしたね。
その間悔しい思いをしましたが、まぁ何とか収まるように収まります。
2つ目は、サウス・セントラルならではのギャングとの関わり。
シーザーがギャングになったとはいえ、彼が犯罪に関わるシーンはあまり出てこず、友達と遊んだりテストを受けたりと、普通の高校生活を送っています。
そして、刑務所から出所したてのシーザーの兄は、周りが恐れる存在ながら意外と良い奴。
シーザーの友達にも(恐いけど)優しいし、めちゃくちゃ弟思い。
2人が海で語らうシーンは、すごく良かった。ギャングであっても、現実から離れたら普通の兄弟と変わらないのだな、と思いました。(この2人に関しては、もっと兄弟愛が深いかも。)
とはいえ、彼らの世界は危険。シーザーが他のギャングと揉めて、事態はどんどん深刻に・・・。
これまた、途中で「いや、それはないだろ!」っていう展開が挟まれるのですが、最終的にその件が災いします;
3つ目は、宝探し。
ローラーワールドというスケート場から大金が盗まれ、近くに埋められているという伝説があります。
ジャマールだけは恋愛に一切関わらず、宝探しに没頭します。
様々な場所で聞き込みを行い、手がかりを元に冒険する姿は一人グーニーズ。
動機はシーザーをギャングから脱退させるための資金作りでしたが、どんどんのめりこんでいき、ジャマールだけ別世界で生きているかのよう。
ルビーの変なおばあちゃんと裏で情報交換しながら、友情を育んでいるところが笑えます。
本作は、ヒスパニック系を主役として危険地域での高校生活を描き、3つのパートをミックスさせたことで、新たな青春ドラマとして成立したわけですが、このドラマが必要かと問われると微妙かもしれません。
面白くなくはないけど、同じ新しいタイプの高校生ものとしては、サイテー!ハイスクールの方が好きかなあ?
とはいえ、最終話はクリフハンガーで幕を閉じたので、シーズン2が公開されたら1話は見させていただきます!
全話観るかどうかは、その展開次第ですね~。