海外エンタメジャーナル by Sam

海外ドラマが好き過ぎてエンタメ業界に入ったSamが、海ドラの感想やセレブニュースについて綴るブログです。

【予想外に面白かった】『13の理由』シーズン3の良かった点と納得いかない点【ネタバレ感想】

 

Photo courtesy of Netflix via IMDb

 『13の理由』シーズン3全話完走しました。

シーズン2があまり盛り上がらなかったので期待してませんでしたが、今シーズンに関しては予想外に面白かった。

(シーズン2の感想はコチラ⇒『13の理由』シーズン2全話観た感想(ネタバレ有):アメリカ社会と高校生活の闇をとことん見せられる。【Netflix】

まず、シーズン1が終わって以来「『13の理由』?もういいよ…」と思ってた人も、シーズン3の予告編を見て「えっ、まじで!?」となったでしょう。

なぜなら、今回のテーマは「ブライス・ウォーカーを殺したのは誰か?」。

ブライスといえば、レイピスト&いじめの主犯でハンナを自殺に追い込んだ張本人。シーズン1&2で視聴者に嫌われまくった彼が、まるで視聴者の願いが届いたかのように殺されたと。(!!!)

この展開を売りにしたマーケティングは大正解で、予告編のリリース後、ブライス殺しのプロットは海外メディアやSNSで話題となりました。

いざ本編を見て世間がどう思ったかは分かりませんが(今のところ評価はイマイチ)、個人的には期待以上に面白く、貴重な睡眠時間削ってビンジしてしまいました。

その中で、シーズン3の良かった点と「そりゃないだろ」と納得いかなかった点を書いていきたいと思います。

『13の理由』シーズン3 あらすじ:

タイラーの銃乱射を止めた春祭りのダンスパーティーから8か月後、クレイ、ジャスティン、トニー、ジェシカ、アレックス、ザックは、交代でタイラーをサポートしていた。

ある日クレイは警察から呼び出され、ホームカミングの試合以降ブライスが行方不明なことを知らされる。8か月前の時点から振り返ると、仲間の全員がブライス殺しの動機を持つことが明らかになっていく・・・。

『13の理由』シーズン3 感想【ネタバレ有】:

毎度物議をかもす本作ですが、今回は自殺や性的暴行のシーンはなく(短いフラッシュバックのみ)、番組1の悪役ブライスの“マーダーミステリー”という興味をひく内容になっていました。

その中で、自殺、中絶、いじめ、薬物中毒、レイプ被害者、移民の問題を上手く取り込み、これまで「自殺を助長する」とか「うつになる」と批判されていた番組としては、そのフォローアップができたのではないかと思います。

良かった点

①クレイ&ジャスティンの兄弟愛

前回は、クレイが薬物依存のジャスティンを助け、友情を育んでいくプロットがお気に入りでした。クレイの両親も良い人で、S2最後にはジャスティンをジェンセン家の養子として迎えることに。

そして今シーズンでは、友情を超えてもはや兄弟愛。「I love you」とか「お前のためなら何でもする」と言い合う仲にまでなったことは、感慨深いものがあります。ツイッターを見ていると、やはりS3はクレイ&ジャスティン目当てで見るって人もいたので、ファン人気の高いコンビなのでしょうね。

ジェシカのトラウマ克服

ジェシカはクレイの説得でレイプ被害を打ち明けたその後、見違えるほど強くなりました。

学校の文化を変えるため生徒会長に立候補し、ためらいなく自らの経験を話し、タチの悪い運動部員に立ち向かうなど、シーズンを通して彼女の行動はとても勇敢でした。そして見事なリーダーシップも発揮。(きっと大物になる!)

トラウマから完全に脱出できていなくても、着実に克服への道を歩み、ほかの被害者たちの力になる姿は、同じような悩みを抱えるティーンたちに良い影響を与えるのではないかと思います。

③タイラーの成長

モンティ(モンゴメリー)から性的暴行を受け、学校のダンスパーティーで銃乱射を試みたタイラー。誰も彼をケアしなかったら闇から脱出できなかったと思うけど、クレイと仲間たちによる手厚いサポートのおかげで素晴らしい変化を遂げました。

最終話、体育館で性的暴行の被害者たちが「I’m a survivor」って言いながら立ち上がるシーンで、躊躇していたタイラーがクレイの姿を見た瞬間に立ち上がる…もう感動しましたよ!同じ経験をしたジェシカや女の子たちじゃなく、タイラーにあの勇気を与えられるのはクレイしか居なかったんですよね。

また、タイラーがケガを記録した写真を順番に追っていくと、彼の表情が別人のように明るく変化していくのが分かり、これにもジーンときました。

いじめ被害者の誰もがクレイたちのような仲間を持っているわけじゃないけど、このシーズンからは「誰かに助けを求めて、前に進む」ことの大切さが伝わるはず。

これまで鬱な印象が強い本作でしたが、今回のジェシカやタイラーのストーリーから「希望」を感じました。

ブライスに人間味を持たせたこと

誰もが大嫌いだったブライスですが、シーズン3では彼が良い人間に変わろうとしているのが悲しいほどに伝わります。転校先のヒルクレストでどうにか生き抜く一方で、古巣のリバティ高生たちの力になり、母親に寄り添い、徐々にブライスが人情深くなってくるんですよね。

彼は本当にひどいことをしてきたけど、心を入れ替えて同級生たちを助け、償おうと努力しているのに、とにかく毛嫌いされてる姿を見る可哀想になってくるの。(前シーズンまで大嫌いだったのに)

なので、ゲス野郎だったブライスというキャラが「良くなろうと努力する1人の人間」として終われたことは、(ブライス役を演じた俳優ジャスティン・プレンティスのイメージ的にも)良かったと思います。

⑤より強固となった仲間の絆

絶対的なスクールカーストが存在するアメリカの高校で、オタク位置でありながら幅広い交友関係を持つクレイ。

運動部のジョック(ジャスティン&ザック)、チアリーダー(“元”だけど、ジェシカ)、アウトロー(トニー)、パンク系(サイラス)まで様々なタイプの子たちから信頼を得ていて、S3では彼らがより固い絆で結ばれていたのが、もうめっちゃくちゃ良かったです。この友情は、シーズン1の時では考えられませんでしたね…泣。

納得いかない点

①アニの存在

海外の視聴者たちがツイッターで「アニがウザい」だの「嫌い」だの嫌悪感を示していますが…すっごく分かる。そもそも冒頭から「アンタ誰?」の状態でナレーションが始まって混乱したし、なかなかイラっとくる語り方で、副保安官(アレックス父)もよく奴に耐えたなと…。

その上 嘘つきだし、クレイに気を持たせながらブライスと性的関係になるし、知った顔で探偵ごっこするし…と視聴者に嫌われるのは間違いないのに、なぜこのキャラを投入したのか?

最後にアニはクレイと交際宣言してましたが、クレイ目線で見て、嘘ついて自分の敵とデキてた奴と付き合うなんて有り得ないでしょう…。(だめだめ!)

ブライス殺しの犯人

結局ザックがブライスを半殺しにした後に、アレックスが来てとどめを刺し(ジェシカは見殺し)たわけですが、イマイチしっくりきませんでした…。

犯行にいたるまでの1人1人の疑惑や行動は、巧妙にリンクしていたと思います。クロエの件でブライスがザックに怒りを向けるのも理解できるし、ジェシカが電話に出ないジャスティンの代わりにアレックスを連れて行ったという流れも納得。

ただ、ザックは暴力の根付いた運動部を変えると言ってた人物で、部の中でも1番優しい人柄だったのに、あんな残忍な殴り方をするのはしっくりこない。

アレックスについても、一時期は友達で最近も会ってた相手を、あの一瞬で殺そうと思うか?うーん…まぁアレックスのジェシカへの執念を思えばあり得るかも知れないけど、真相を知っても「あぁ、そうなの…」という印象であまりピンと来ませんでした。

そして何より、それぞれ良い方向に向かっていた彼らを「殺人犯とその仲間たち」にしてしまった展開は残念。堂々と他人に罪を着せてしまった事にも驚愕です。もっと別のところから意外な犯人を出せなかったのかしら?

③モンティの末路

モンティなんて大嫌いですよ?ですけども!今回の仕打ちは酷かった…!

父親にゲイをカミングアウトしてツバを吐きかけられた後、拘置所で殴り殺され、最終的に死人に口なしと言わんばかりに殺人の罪を着せられる…なんて、やり過ぎでない?

ただ、犯行時にモンティといた新キャラ ウィンストンが口を閉じてはいなさそうなので、いずれ殺人の疑いは晴れるかも知れません。(それはそれで困るけど…)

シーズン4がラスト

現在、『13の理由」は最終シーズンとなるシーズン4を撮影中。

ブライスジェシカに送ったテープ、モンティの潔白を知るウィンストン、漁師が発見したタイラーの銃など、次シーズンに繋がるであろう伏線は、ファイナルシーズンでどう回収されるのでしょうか?

正式な配信日はアナウンスされていませんが、これまでのペースで考えると、2020年前半辺りにリリースされると考えられます。