『ベター・コール・ソウル』シーズン4 第3&4話 感想(ネタバレ):どんどん本家に近づいていく・・・
3話の感想が4話配信までに間に合わなかったので、2エピソード分まとめて更新します!
以下、 『ベター・コール・ソウル』シーズン4 第3&4話の感想です。
『ベター・コール・ソウル』シーズン4 第3&4話:あらすじ
3話
ナチョはガス一味に協力し、アルトゥーロ殺害を他のギャングの襲撃に見せかけるため工作する。よりリアルに演出するため、ナチョも撃たれ傷を負う。
ジミーは面接先の会社で見つけた8000ドル相当の人形を盗むため、マイクに仕事を依頼するが断られる。しかし、獣医の紹介で盗みのプロであるアイラを雇い実行する。
キムはメサ・ヴェルデを訪問すると、彼らが複数の新たなロケーションに進出し事業拡張を計画していることが分かる。
ガスは化学者のゲイルに会い、サンプルの試験結果を聞く。ゲイルはサンプルが粗悪品で、自分なら上質品をここで気づかれずに作れると売り込むが、まだ頼めないと断られる。
キムはジミーにチャックからの手紙を渡す。ジミーが淡々と声に出して読む一方で、キムは涙を流す。
4話
ジミーは携帯ショップの店長として仕事を始めるが、客は全く来ない。アイラから盗みの報酬を受け取り、また一緒に何かやろうと話し合う。ジミーは、アイラが盗聴対策のため仕事が終わると携帯を変えることを知り、店の窓に「プライバシー保護は当店へ」というメッセージを描く。
キムは法廷の見学に行くと、裁判長に呼び出される。「情熱を呼び覚まそうと法廷に来た者はいる。今度来たら嫌な仕事をやらせる。」と言われ承諾するが、再び法廷に現れる。
マイクは遺族の会に出席し、グループのヘンリーという男が妻との話をでっちあげていることを見抜き、皆の前で明かす。
マイクはガスからナチョのヘクター殺害未遂について黙っていたことを追及されるが、「自分はヘクターの護衛じゃない、(自分を)やるならやれ」と伝えた上で、「他に頼み事があって呼んだんだろう」と切り出す。
『ベター・コール・ソウル』シーズン4 第3&4話:感想【ネタバレ】
どんどん『ブレイキング・バッド』の世界に近づいてきましたね。
シーズン1辺りのコミカルな感じは殆どなく、ナチョパートなんてほぼ『ブレイキング・バッド』(の後半)。
キムとジミーの関係に感じる切なさも強くなってきました。
手紙のシーンでの2人の温度差・・・。チャックの死にジミーは向き合わないままでいますが、心の底では何を感じているのでしょうか。
手紙は予想に反して破壊力のあるものではなく、涙してもおかしくない内容でしたが、相変わらずジミーの態度はそっけない。
キムがジミーに精神科医を紹介しましたが、彼が誰かに本音で話すことはないでしょうね…。
シーズン4のキーアートにあるように、ジミーは笑顔のお面を被り、胸に抱えるダークなものを隠したまま。
そんな中で、ジミーが唯一心から大事に思っているのは、キム。一度は断った携帯ショップの店長職を引き受けたのも、彼女のためですね。
客の来ない暇な店舗に配属されましたが、「プライバシー保護」を訴求し始めたことで、裏社会の者たちが集まって来そうな予感…?
キムと笑いあってた日々が遠い昔のことのように、着実にソウル・グッドマンと化してきています。
また、より一層ボス感が増してきたガスについて思ったのは、彼がドラッグ帝国を築くモチベーションは一体何なのか。
ガスって、この世界で一番リアリティのないキャラクターですよね。
まるでサイボーグのようで、笑ってる姿とか全く想像つかない。本家での死に方もアニメのようでしたし(笑)。
本作は犯罪者だらけですが、他のキャラクターは別の一面も見せてくれてますよね。
ナチョは父親、マイクは孫(息子&義娘)、ジミーはキムとの関係を通して人間味が描かれていますが、ガスについては皆無。人間味ゼロ!
ゆえに、彼が何をモチベーションに麻薬ビジネスを行なっているのか…改めて疑問に思ってしまいました。
さてさて、ゲイルも登場し、本家のキャラクター達がどうリンクしていくのかが更に見えてきましたね。
ガスにしろ、マイクにしろ、ゲイルにしろ、最期を知っているけど、本作での「今」を心から楽しめる。本当にすごい作品だ…。
今後の展開としては、
ガスが依頼するナチョとマイクの新たな仕事、
裁判所を見学しているキムの次の活動、
仕事を始めるも、犯罪に手を染めるジミーの行方など、
新たなドラマを引き起こしそうな要素がたくさん。
来週でシーズンの半分に到達するので、そろそろキムとの別れがやってくるのではないかとソワソワ…。
Photo by Instagram / bettercallsaulamc
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン1 感想(ネタバレ):一気見はムリなほど重い、真の「衝撃作」。
シーズン2目前ということもあり、今更ながら先日『ハンドメイズ・テイル』シーズン1を見終えました。
2017年のエミー賞で、配信サービスとして初めてHuluが作品賞を受賞した話題作。
その強烈な内容は耳にしてはいたのですが、実際に鑑賞してみて、顔面にパンチをくらったような衝撃を受けました。
単に「エグい」の一言で済ますと誤解が生じるかもしれませんが、そう感じずにはいられない、でもそれだけでは語れない重厚な物語なのです。
あまりに重くて、一気見は無理。1~2話観たら口直しが必要かもしれません(笑)。
以下、『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン1全話を観た感想です。
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン1:あらすじ
環境汚染により出生率の低下したアメリカは、キリスト教原理主義に支配されたギレアド共和国となった。
妊娠可能な女性は、「侍女」として「司令官」と呼ばれる男性の家に配属され、司令官とその妻のために子供を産む役割を担う。
全ての自由を奪われ、女性がモノとして扱われる恐ろしい世界が、侍女となった主人公ジューンの視点で描かれる。
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン1:感想【ネタバレ】
「現代アメリカの未来」とも言われる、ギレアド共和国。
2007年に日本の厚生労働大臣が「女性は産む機械」発言で批判されていましたが、本作で描かれている侍女たちは、まさにそれ。
妊娠の大変さ、出産の痛み、子供への無償の愛、母となる女性が抱える全ての思いを完全に無視し、侍女たちはただ産むだけのマシンとして生きていくのです。
この世界の恐ろしさは、女性なら観ているだけで発狂したくなるレベル。
ディストピアということもあり、全く異なるジャンルですが『ウォーキング・デッド』がチラッと頭をよぎります。
『ウォーキング・デッド』と比べ、「カナダへ亡命」という一か八かの逃げ道がある点では『ハンドメイズ・テイル』の方が希望はありますが、
愛する者と引き離され、娯楽は何一つなく、家族の支えもなく、ひたすら他人の子供を作るためだけに生きていくという点では、本作の方がずっと精神的にキツイ。
黙って従うしかない侍女たちから絶望感がヒシヒシと伝わり、観ているとお腹の辺りがどんよりしてきます…。
最初に「儀式」と呼ばれる性交のシーンを見た時は、「ん?何これ、どうなってんだ?」と目を疑いました。
侍女、司令官、妻、どの立場から見ても、気分の悪いものでしかない。こんな形で生まれてくる赤子は可哀想すぎる…!
また、妊娠した侍女は、出産後すぐに赤ちゃんを司令官の妻に渡され、実の母子でふれ合えるのは授乳の時だけ。
断乳後は赤ちゃんから離され、侍女は新たな司令官の元へ送られる・・・という、信じられないほどの残酷さ。
大変な妊娠生活と出産を乗り越えて、生まれてきた我が子に関われないなんて、辛いなんてものじゃないでしょう。
冒頭にも書いた通り、設定がいちいちエグい!
プロットだけ聞くと鬱になりかねない内容ですが、そんなことは気にならないぐらい作品のクオリティが高い。
「暗いから観るのやめよ…」とはならず、先の展開が気になるような演出が盛り込まれています。
ドラマや映画において「音楽」は重要な役割を担いますが、本作は絶妙な音楽チョイスにも注目が集まっています。
私が聞いてハッとしたのは、第2話のラスト。
このドラマで、まさか90年代の青春映画『ブレックファスト・クラブ』の "Don't You Forget About Me" が流れるとは!作品のカラーが全く違うのに!
そのエピソードは、音楽が流れ、最後に主人公ジューンが “Fuck.” と一言吐いて終わり。
その瞬間「コイツはやってくれるぞ」と予感させ、この先のジューンの行方を見届けたくなりました。
また、過去の回想も随所に挿入されていて、アメリカがギレアドへと変化していく過程やジューンと夫とのストーリーなど、この世界観への理解が深まっていきます。
過去があって今がある、この人の一言でこうなったのか…など、点と点がつながっていく楽しみがあります。
そして、一見抑圧された世界で従う者ばかりかと思いきや、同性愛や、司令官と侍女の秘密の関係、脱走なども描かれていて、所々でスパイスが効いています。
その先には恐ろしい罰が待っていますが、「脱走」の場合はうまくいけばカナダに亡命できるかも…!
ジューンの夫はカナダで生きていて、コーヒー片手に家族を待つ姿が…というかカナダがホント平和。
ジューンには早く家族と再会してほしいですねえ。ギレアドなんて崩壊してくれ…!
そして、本作を語る際に忘れちゃいけない、主人公ジューンを演じるエリザベス・モス。
エリザベス・モスは、本作でエミー賞&ゴールデングローブ賞主演女優賞を獲得しているわけですが、本当に称賛に値する圧巻の演技を見せてくれました。
そして、このジューンがまた強いキャラなんですよね。一見従ってるように見せて、時に反抗し、策略をめぐらせ、決してこの世界に屈しない。
彼女の強さが視聴者側にしっかり伝わるのは、エリザベス・モスの素晴らしい演技があってこそ。
エリザベスが過去に演じた『MADMEN』のペギーも、強くて向上心溢れる生意気なキャラでしたが、ジューンからも同様の強さとスマートさを感じます。
司令官フレッドから特別視され、運転手兼「目」のニックの気も引き、周囲の男性を惹きつけるという点でもペギーと共通しているかも。
ジューンがフレッドの妻セリーナに連れ出され、窓越しに娘の姿を見るシーンなんて、迫真の演技にこちらまで悔しくて悔しくて…!
その後「Bitch!」と言いながら怒り狂う姿は、凄まじいものがありました。(本当にとんでもないビッチですよ!)
これまでHuluのオリジナル作品はパッとしない印象だったので、こんな衝撃作を、最高のキャストと絶妙な演出で、完璧に映像化したことには驚きです。
今さら何言ってるんだって感じですが、本作を観るのが遅れたのは、Huluアカウントをお休みしてたからなのでお許しを…。
8/29から始まるシーズン2は、さらに凄まじい内容らしいので心して観ます!
Photo by Hulu via IMDb
『ベター・コール・ソウル』シーズン4 第2話 感想(ネタバレ):ガスを敵に回すべからず。
第2話を観て、このドラマはキャラクターの言動一つ一つの真意を読み取るのが難しい!と実感。
ジミーの気持ちを一番に考えるキムが、ハワードの「自分のせいだ」という告白に対して猛攻撃。なるほど、そういう解釈でしたか…。
以下、『ベター・コール・ソウル』シーズン4 第2話の感想です。
『ベター・コール・ソウル』シーズン4 第2話:あらすじ
ガスは手下にヘクターの様子を見に行かせる。自らの手でヘクターに裁きを加えたい彼は、さらなる治療ができる医者を派遣する。
ジミーは転職活動を開始し、コピー機の営業ポジションの面接を受けに行く。
キムはジミーの代理としてHHMに向かい、先日のハワードの告白を責める。
マイクはリディアと面会。ほかの施設も監査しに行くと言い張る。
ナチョはヘクターに毒を盛ったことがガスにバレてしまう。
『ベター・コール・ソウル』シーズン4 第2話:感想【ネタバレ】
第1話のラストで、ジミーがハワードに吐いたセリフについては、「ハワードに全て押し付ける気か…?」と思いましたが、
今回キムがハワードに「葬儀の日にあんな話をしたのは、自分が告白して罪悪感から逃げるためでしょ」と責めたのを聞いて、そういう見方が正しいのか!と理解。
ジミーの気持ちを考え、ハワードの提案をバッサリ斬ったキムは素敵でしたねえ。
もはや、海外ドラマの中でウザくない女キャラの代表と言えるでしょう。役を演じるレイ・シーホーンも素晴らしい。
そしてチャックがジミーに宛てた手紙、内容気になりますね~。のちに悲劇となるのでは・・・と思うと恐ろしくてなりません。
真意を読み取れないと言えば、ジミーの面接。
ジミー節さく裂のピッチで面接官2人に決断を急がせたと思えば、いざ採用されて断るという・・・。
この自滅的行動の裏で、一体ジミーはどんな考えを巡らせていたのでしょうか?
面接後に部屋へ舞い戻る時、退出してオフィスを振り返る時、ジミーの顔に意味深な表情が浮かびましたが、真意は読めません。ジミー、複雑な奴です…。
そして、マイクは再び孫とほのぼの素敵なおじいちゃん。
その後リディアと面会し、先日のオフィス忍び込みついて忠告を受けながらも、今後ほかの施設でも行うと宣言。
そして、「もしも考え直してと言ったら?」と聞くリディアに対し、「その言葉を返す (I’d ask you to do the same.)」と答えたマイクがカッコいい!
本作におけるマイクのナイスキャラぶりを見ると、『ブレイキング・バッド』での最期が惜しすぎます・・・。
一方でナチョは、アルトゥーロ&双子と笑える4ショット(ヘクターへの語りかけまでの “間"!笑)を披露した後、ガスの部下たちと取引。
交渉はうまく行ったかと思いきや、目の前でアルトゥーロを殺され、ガスにヘクター殺害未遂がバレて、逃げ場なし!お父さんに足を洗うと宣言したのに!
「お前は私のものだ」
その一言で、ガスの恐ろしさを改めて思い出させられるエピソードなのでした・・・。
Photo by Instagram / bettercallsaulamc
『ベター・コール・ソウル』シーズン4 第1話 感想(ネタバレ):軽快なジミーの口笛は、ウォルターのあのシーンを思い出さずにいられない…。
お待ちかね、『ベター・コール・ソウル』シーズン4が開始しました!
相変わらず、脚本・演技・カメラワーク・演出・音楽・・・どれをとっても素晴らしい一級品。
最初は時間ないし「ながら見」しようかとも思いましたが、ちゃんと1時間確保し、集中して一秒一秒を噛みしめないともったいないです。
本シリーズもシーズン4に入り、『ブレイキング・バッド』同様、どんどんヘビーになってきました。
あのキャラクターが亡くなり、コミカルな要素が少しずつ薄れ、また徐々にダークさが強くなっていくのでしょう。
以下、『ベター・コール・ソウル』シーズン4 第1話の感想です。
『ベター・コール・ソウル』シーズン4 第1話:あらすじ
ジミーは、自宅の火事によってチャックが亡くなったことを知らされる。
ナチョは病院に運ばれるヘクターを見送り、薬を処分する。
マイクはマドリガル社に忍び込んで抜き打ち検査を行い、管理の甘さやずさんさを指摘する。
ハワードはチャックを事務所から追い出したことに関し、自責の念に駆られる。
『ベター・コール・ソウル』シーズン4 第1話:感想【ネタバレ】
冒頭はお馴染み、ジーン(ジミー)がシナボンで働く白黒のシーンからスタート。
偽の名前と社会保障番号を使い、身元がバレないかビクビクしながら生きるジミー。かつての活気は一切なく、もう表情が完全に死んでいるのが寂しい…。
『ブレイキング・バッド』も冒頭は未来のシーンから始まり、そのシーズンの最終話でタイムラインを合わせる手法が使われていましたが、本作はシーズンをまたいでも、白黒のシーンにつながらないまま。
最終シーズンまで引っ張るのでしょうか?ストーリーが追いつく時が楽しみでなりません。
そして現在に戻り、チャックの訃報を受けるジミー。
複雑な兄弟関係だったとはいえ、たった一人の兄。涙を見せることも、感情をあらわにすることもなかったジミーですが、ハワードの「自分のせいだ」という告白を聞いて安堵したのか、
「君が背負うべき十字架だな」と一言。
その後とった行動は、うすら笑いを浮かべて金魚にエサをやり、コーヒーを淹れ、口笛を吹く。
素直に心の中を打ち明けたハワードに対し、ジミーは全ての責任を彼に押し付ける気?
最後の口笛には、『ブレイキング・バッド』S5E6のウォルターを彷彿とさせるダークなものを感じましたよ・・?(以下)
ジミーの口笛を聞いて、つい『ブレイキング・バッド』S5E6のこのシーンを思い出してしまった…。#ベター・コール・ソウル pic.twitter.com/sSK4W8XPn9
— Sam (@sisfor_SAM) August 7, 2018
一方で、ナチョは救急車で運ばれるヘクターを見送りますが、隣でナチョに疑いのまなざしを向けるガスの表情は、見る者を凍り付かせるほど恐ろしい…!(ジャンカルロ・エスポジート、ガス役ハマりすぎ。)
ガスの目線が向いていないことを確認しつつ、ナチョが薬を捨てようと排水溝に近づいていくシーンは、『ベター・コール・ソウル』節が利いていてワクワクさせてくれました。
そして、重い空気の漂うジミーやナチョとは異なり、孫とほのぼの遊ぶマイク。マイクと家族の平和なシーンは微笑ましくて、ほっとします。(危険が及ばなければ)
仕事面では、マイク流にマドリガル社を抜き打ち検査。
まぁ、あんなおじいさんがオフィスうろついてたら、「今日はFamily Dayか?(社員の親か祖父?)」と思ってしまいますけどね(笑)。
ただ、行動に怪しさを感じさせないほど堂々と振る舞い、細かい点まで内部のあらを探し出したマイクはさすが。出来る男です!
待ちに待った甲斐あり、完成度の高さは相変わず。初回エピソードは、米レビューサイトRotten Tomatoesでも現時点で「100%」の高評価。文句なしの出来です。
AMCの放送と連動しているため週1更新なのがじれったい(一気見派なので)ですが、今シーズンは『ブレイキング・バッド』のタイムラインに一致するということで、溜めずに毎週チェックさせていただきます!
第2話の感想はコチラ↓
www.kaigai-entertainment-journal.com
Photo by AMC
『ダイエットランド』全話見た感想:スッキリしない終わり方!
『ダイエットランド』全話見終えました!
1&2話(感想はこちら。)を観た後は、「これは面白い!」と今後の展開を楽しみにしていたのですが、最終話まで見てみると・・・「結局何が言いたかった?」とモヤモヤした感覚が残ります。
以下、『ダイエットランド』全話見た感想です。
『ダイエットランド』全話見た感想(ネタバレ有)
※以下、『ダイエットランド』のネタバレを含みます。
まず第一に、プラムが好きになれませんでした・・・。
「デイジー・チェーン」編集長のゴーストライターからカライオペの一員になり、最終的には「ジェニファー」に加入したプラム。
10エピソードを通して彼女の大きな変化を見届けることはできましたが、方針がブレブレな気がします。成長過程とはいえ、関わる人間に流され過ぎでは?
孤独を嫌うゆえか、カライオペとの間に亀裂が入った後は、ずっと避けてきたぽっちゃりフェチ男の家に行き、ひどい目に遭ってしまうし…。決意を固められない、フワフワした感じが好きになれなかったです。
一点よかったのは、ブログで「自分はキティのゴーストライター」だと名乗ったこと。
しかし結局「デイジー・チェーン」でインタビュー受けることで和解となり、この出来事はカライオペと対立するきっかけにしかなりませんでしたね。
暴露をきっかけに大物になり、プラムの人生が変わる…となればワクワクしたかもしれませんが、ジェニファー放ったらかしにしてたらストーリーの主旨が変わってしまうので仕方ないか^^;
また、このドラマにおいて、プラムの「肥満」は付いて回る重要な要素ですが、結局「太っている女性」に関してどういうメッセージを伝えたいのか掴めませんでした。
予定していたバイパス手術をやめて、ありのままの自分を受け入れることを正とするのかと思いきや、見知らぬ人にデブ扱いされて殴られたり、のちにプラムの仲間となったジェニファーのメンバーにまでも「太っているから足手まとい」だと言われたり、本作を見る上で肥満をどう捉えていいか分からずじまい。
そんな中で、一番正論を言っていたのは親友のスティーヴン。少し動いただけで息切れするプラムを「健康的ではない」と心配していましたが、実際にアメリカでは5人に1人が肥満で亡くなっていることを考えると、これに尽きる気もします…。
そして「ジェニファー」の役割ですが、今のところ、世の男性たちに恐怖を与えたり、女子大生の自殺者を生み出しただけ。
最初は完璧に統制された過激派集団かと思いましたが、その内部はメンバー同士で意見が割れたりと混とんとしており、意外とまとまりはなし。
終いには1人の顔が割れて報道されてしまうし、別の1人は警察に撃たれてしまうし、あれよあれよとピンチに陥ってしまいました・・・。
以上のことから、フェミニズムという観点で現代社会を皮肉る作品ではありますが、真に何を伝えたいのかが今ひとつ分からず、大した盛り上がりもなく、結局何が言いたいのか曖昧なまま終わってしまった印象です。
また個人的にですが、もう少しコミックリリーフ入れてほしかった!
ダークコメディというジャンルですがコメディ感が少なく、ダークな要素ばかり強くなっていったので、もう少し軽さを取り入れてくれたら良かったかと…。
エラディオやカフェ店員のベン辺りを有効に活用して、心の休まるシーンを提供してくれたら、物語にメリハリがついてベターだったかも知れません。
『ダイエットランド』シーズン2への更新はまだ決まっていませんが、続きが気になる方も多いと思うので、ピックアップされたら是非つぎで挽回してもらいたいです。
(9/21追記)
視聴率が伸びなかったため、シーズン2への更新は見送るそうです。
まぁ分からなくもないですが、スッキリしないまま終わってしまったのは残念!
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』シーズン6 感想(ネタバレ):新たな舞台、新キャラ、新展開。まだまだ盛り上がるS6も必見!
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』シーズン6を視聴しました!
面白さに関して、このドラマは間違いないですね。毎シーズン夢中にさせてくれます!
長きに渡る暴動が終わって、重警備刑務所という新たな舞台に移り、新キャラも登場し、S6はまたフレッシュな気持ちで見ることができました。
以下、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』シーズン6の感想です。
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』シーズン6:あらすじ
3日間にわたる暴動に終止符が打たれ、パイパーを含む囚人たちは重警備の刑務所に移送される。
所内はブロックで分かれており、バーブが率いる「Cブロック」、キャロルが率いる「Dブロック」、老人と精神異常者が収容される平和な「フロリダ」が存在する。
軽警備組は分裂して各ブロックに割り当てられるが、ギャングに馴染む者、馴染んだフリをする者、仲間を裏切ってフロリダへ逃げる者など、それぞれの方法で新たな環境に適応しようとする・・・。
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』シーズン6:感想
舞台を変え、キャラの入れ替えもありましたが、相変わらずテンポ良く、人間模様や過去のストーリーが濃く描かれ、一気見せずにはいられない内容でした。
新キャラもまたクセ者ぞろいで、Cブロックのボスのバーブ、Dブロックのボスのキャロル(2人は姉妹)、Cブロックでドラッグを密輸する男前なダディ、バーブの手下でTHE いじめっ子なバディソンの4人がメインとなります。
SNS上では、ダディと、回想に出てくる若き頃のキャロルの人気がスゴイ!
ダヤさえ同性愛の世界に引き込んだダディはストレートの女性視聴者をときめかせ、サイコなヤング・キャロルはそのカッコよさで男女問わず魅了するという・・・。
シーズン6まできて、さらに人気キャラを生み出す辺りはさすがジェンジ・コーハン(プロデューサー)!
また、新キャラの登場があれば、今回は不在のキャラもたくさん。ブー、マリッツァ、ワトソン、ソーソーなどは登場しないので、ファンの方は残念!
S6に登場するオリジナルキャラは、
Cブロックに入ったニッキー、ローナ、ダヤ、グロリア、マリア、テイスティ、フラカ、シンディ、
Dブロックに入ったパイパー、アレックス、レッド、
フロリダ入りに成功したフリーダ、ペンサタッキー、スーザン。
C、D、フロリダなら間違いなくフロリダを選びますが、一番イヤなのは「D」ですね。バディソンがいるんですもの。
メディアから「シリーズ史上1番の嫌われ役」とも称されているほど、現実世界で絶対に関わりたくないタイプ。そんなバディソンに目を付けられたパイパーは気の毒…(だけど仕方ない)。
今回初めてパイパーが「何故いつも自分が狙われるの?」と不満を漏らし、親切にテイスティが「自分が得られなかったものの象徴だから。裕福で、教養があって、チャンスもあった。変われるなら変わりたい。」と語るシーンがあります。
そのシーンは刑務所内の美容サロンで、頭につけられたガムを取りに来たパイパーに対し、暴動の扇動&ピスカテラ殺害の容疑で裁判に向けてヘアセットに来たテイスティ。
この深刻度の差も気にせず、悲劇のヒロインぶるパイパーに思わず「あんたのそういうところだよ!」と言いたくなるワンシーン。
そんなテイスティは、カプートのサポートを受けながらも、無実なのに陪審員裁判で終身刑を受ける羽目に。
プッセイのために一人戦ってきた彼女に対して、この仕打ちはひどすぎる!
こんな未来が待っているなら、1回出所した後戻ってこなきゃ良かったね・・・。
そして、基本的に空回りがちなパイパーですが、今回は最初冷ややかな目で見ていた「キックベース」が、どんでん返しで最終的に好転するというミラクルが起きました。
そのおかげで、
・バーブとキャロルが殺し合い、2人の脅威がなくなる。
・渋々キャロルの手下になったアレックスはギャングを抜けられるかもしれない。
・フリーダの命は無事。
・純粋にブロックの垣根を超えてキックベースを楽しめた。
などの良い展開につながり、この件に関しては結果オーライといったところでしょうか。(余波がなければ。)
その上、パイパーはバディソンに狙われたおかげでヘロインを見つけ、密輸した張本人の看守に相談し(知らずに)、その看守から早期出所という形で追い出されるという、これまたミラクルが発生!
あまり共感できないパイパー&アレックスカップルですが、急に明日から離ればなれとなるのは少し可哀想でしたね。
急きょ行った結婚式では、アレックスが「何でパイパーなんかにいつも優しいんだろう?」という私の疑問に答えてくれてスッキリ。負い目を感じているから、ということですね。
最初はアンチ・アレックスだったのに、いつの間にかアンチ・パイパーになってしまったので、過去の出来事をすっかり忘れていました(笑)。
パイパーは出所すると、「パートナーが檻の中」というS1&2のラリーの立場になるということですね。
今後どういった形で登場するか分かりませんが、刑務所内ではすっかり影が薄くなっていたので、外の世界の方が活躍できるかもしれません。ダヤの母アライダも頑張っていますし(笑)。
そして、同時に出所したブランカは移民拘留センターに移送されることに・・・。
恋人に会えると大喜びで出て行ったのに、これは切なすぎる。現代のアメリカを映し出すような内容が胸に突き刺さります。
テイスティ、パイパー、ブランカの行方に加え、出血してしまった妊婦のローナ、2人のボスを亡くしたC&Dブロックのその後など、今回も次のシーズンへのクリフハンガーが盛りだくさんでした。
既にシーズン7製作が決まっている安心感に感謝しつつも、次がファイナルなんじゃないかという不安も沸いてきています・・・!
一応主人公のパイパーが出所してしまったら「終わり」ですよね。彼女なしで進めても何ら問題ないけれど、そもそもパイパーの物語ですし(笑)。
Netflix日本上陸前、TVODでシーズン1が配信されていた頃から観ていたので、終わっちゃったら寂しいなあ。
シーズン7が最後であってもなくても、さらに盛り上げてくれることに期待!また1年後が楽しみです。
※ダディ、バディソン、現在&ヤング・キャロル&バーブを演じた新キャストついて、海外ドラマboardさんで記事を書きましたので、ご興味ある方はご覧いただけたら嬉しいです^^
『グレイズ・アナトミー』シーズン14 第15&16話 感想【ネタバレ】:ジャクソンが素敵すぎる。
photo courtesy of abc
15話の感想が16話放送前に間に合わなかったので、2エピソード分をまとめて更新します!
14話で誕生したジャクソン&マギーカップルは、スローペースながらも進んでおり、そのまま横道にそれて無かったことにならないものかと願うばかりです…。
メレディスの研究は、自分の予想とは違う展開になりつつも、やはり難航中。
以下、「グレイズ・アナトミー」シーズン14 第15&16話の感想です。
(2019/1/2 追記)
グレアナ S14の感想は、この記事が最後です。最終話まで楽しませてもらいましたが、16話までしか更新できず…。
ありがたいことに読んでくださる方が増えたので、ここに追記させていただきました。
『グレイズ・アナトミー』シーズン14 第15&16話:感想(ネタバレ有)
※以下、 『グレイズ・アナトミー』シーズン14 第15&16話のネタバレを含みます。
メレディスは母の過去のせいで研究に支障
母エリスの知人で、ポリマーの特許を管理しているマリー・セローンは、エリスがハーパーエイヴリー賞を獲った「グレイ法」は自分を含めた2人の功績だと主張。
マリーはメレディスに、ポリマーを使いたいなら、「グレイ-セローン法」であるとアナウンスするよう要求します。
応じなければ、マリーに今回の研究を横取りされてしまうにも関わらず、メレディスは勝手に亡き母の名誉を傷つけるわけにはいかないので、研究を諦めることに。
しかし、患者との関わりでひらめいたジョーから「未来を切り開くチャンスを母親の過去につぶさせないで」と助言され、最終的に続行することを決意しました。
以前メレディスは、3回ハーパーエイヴリー賞を獲った母親を超えると発言していたのに、今回の件で、いまだ母との間に「超えられない壁」を感じているように思いました。
ジョーの言う通り、折角のチャンスをエリスが招いたトラブルに邪魔されるなんて、もってのほか。次なる一手がどうなるのか、楽しみです!
ジャクソン&マギー、両親に関係がバレる
スローペースで進めているジャクソン&マギーですが、2人で部屋から出てくるところをキャサリン&リチャードに見られて関係がバレてしまいます。
キャサリンは反対していましたが、話し合いの末、2人の仲を認めることに。
キャサリン、もう少し頑張ってほしかった~(笑)。
そもそもジャクソンの相手としてマギーを認めてないってのはありますが、再婚した夫婦の子供同士が交際するのって違和感を抱きますね。
同じようなケースで『ゴシップガール』初期のセリーナとダンは別れていたというのに…。
エイプリルに限界が近づく
神という心のよりどころを失ったエイプリルは、コラシックと一夜を明かしたり、インターンの実習で狂気の姿を見せたりと、とうとう精神の限界点が近づいてきたもよう。
ナイスガイ・ジャクソンが心配して接触すると、ヤケクソで彼に迫るエイプリル。
現実から背くなと言われて気を取り戻し、せめて子供を預かってほしいと頼みます。
この2人、より戻せばいいのに!
良い子のマギーは認めてないものの、つい何度も何度も腹が立ったエイプリルを応援してしまいます。長年見てきたからか、やっぱ1番しっくり来るんだよなあ。
でもエイプリルが今シーズンで去ることを考えると、この2人にも別れが訪れるんですよね。どんな展開が待っているか分かりませんが、号泣必至でしょう。
オーウェンは結局テディか!
オーウェンはアメリアとカジュアルな関係を始めて、そのまま元サヤになるかと思いきや、彼女に「結局ずっとテディが心の中にいるんでしょ?想い伝えたら?」と言われて、のこのこ会いに行くことに!
シーズン15からテディがレギュラーに復帰するらしいですが、まさかオーウェンの相手役?
テディがオーウェンの「最愛の人」という設定にされると、過去のクリスティーナとの関係も否定されるようで腑に落ちないな…。
*****
今後エイプリルはどうなるのでしょうか?最近の彼女の行動を見ていると、悪い予感しかしません。ジャクソンとすれ違ってしまったことが、そもそもの間違いだったなあ。もう元には戻らないと分かっていても、微かな期待を抱いてしまいます;
メレディスは恋愛っ気ゼロで仕事に没頭しているのが、彼女らしくて素敵。視聴者も含め、ネイサンのことなんてすっかり忘れております(笑)。研究を続行し、今回のコンテストでも優勝したら感無量ですね…!